「市役所職員になるにはどうしたらいいの?」
今まさに、就職活動中の方のこうした疑問を解決します。
私は2020年に退職するまで、17年間市役所で働いていました。
私が市役所採用試験に合格した経験と、毎年入ってくる新規採用職員を見てきた経験から、本音だけをお話ししていきます。
市役所職員になる方法
高校生のなりたい職業ナンバーワンと言われている地方公務員。
その中でも、転勤のない市役所職員は人気が高いですね。
市役所職員になる条件は次の2点だけです
- 年齢要件を満たしていること
- 市役所採用試験に合格すること
順番に見ていきましょう。
1の年齢要件は、自治体ごとの募集要綱に記載されますので、受験を希望する市のホームページから確認してください。
30歳くらいを上限としていることが多いですね。
2の市役所採用試験は、次のような試験内容が一般的です。
- 教養試験
- 専門試験
- 論文試験
- 面接試験
専門試験がない場合や適性検査などが課せられることもありますので、希望受験先の受験要項をよく確認するようにしてください。
筆記試験対策は必須です。1日3〜4時間勉強するとして、期間は半年〜1年間はとった方がいいでしょう。
この記事は事務職志望の方向けに書いています。
専門職の場合は試験内容や対策が若干変わりますので、ご了承ください。
誤ったイメージに振り回されないように
市役所や公務員に対する誤ったイメージを持っている方は、試験を受ける前から
「自分には受かるわけがない、受けるだけ時間のムダだ。」
と考えてしまいがちですね。
人生をかけた決断ですから、やる前からあきらめてしまうのはもったいないです。
では、どういったイメージが誤っているのか?
よくある勘違いを6つご紹介しましょう。
コネがないと入れないのでは?
公務員のコネ(縁故)採用というのは法律に抵触する可能性があるので、基本的にはありません。
確かに、筆記試験を突破した後の面接試験では、多少有利になることは考えられます。
ですが今の情報化社会では、あからさまなことはできないのです。
仮にコネ枠があるとしても、ごく僅かなので気にするレベルではありません。
受験する市に住んでなくても受験できる?
受験資格に居住要件を定めることは、法的にできません(警察官は除く)。
これは市役所に採用が決まった後も同様です。私たちには、居住の自由というものが、憲法で保障されているのです。
実際、都市部の市役所では、働く人の半数近くは市外から通勤しています。
ですから、受験する自治体を選ぶ時には、希望するエリアを広くして考えた方がいいですね。
都市部の自治体は給料が高いので、少し離れた郊外に住みながら通勤する方が経済的に豊かな生活が送れる、ということは言えるでしょう。
Fラン大学だと不利になるんじゃない?
学歴や大学のブランドは受験資格には何も関係がありません。
そもそも公務員試験というのは、学歴・職歴・性別等での有利不利がないので、大卒である必要すらないのです。
当然、民間企業のように学歴フィルターと言われるような、大学名で合格に有利になることもありません。
また、入庁してからも職員の間で出身大学を知る機会は、意外と少ないものです。
合格する人はみんな頭がいいんでしょ?
結果的には、それなりに偏差値の高い大学を出た人が多く合格しています。
こう聞くとガッカリした人もいるかもしれませんが、あくまで結果論です。
合格したのは有名大学を出たからでも、頭がいいから、というわけでもありません。
ただ試験対策に慣れていただけです。
市役所採用試験では大学受験ほど難しい問題は出ないので、過去問を反復して勉強すれば、誰でも合格ラインに達します。
それでも勉強に苦手意識が強いという人は、専門試験がなくて教養試験で受験できる自治体を選ぶと良いでしょう。
繰り返しますが、公務員試験は学歴に関係なく公平公正な採用試験です。市役所に入ってしまえば仕事内容に変わりはありません。
何か語学力や資格があると有利になる?
安定を求める人は資格取得に関心がある人が多い印象がありますね。
ですが、語学力や資格があっても試験に有利になることはないので、わざわざ勉強する必要はありません。これに関しては断言できます。
確かに、海外のお客さんと接するなど、市役所の仕事で英語が話せると便利な機会はごくたまにあります。
行政書士やプログラミングの資格があると業務に活かせることもあるかもしれません。
ですが、資格を活かせる部署に配属されるとは限りません。配属部署は、自分で選ぶことはできないのです。
私も大学生時代にパソコン系の資格を取得しましたが、採用試験で有利になったとは思いませんし、とって良かったとは思うことはなかったですね。
インプットするなら公務員試験対策の勉強だけで十分です。
どうせ時間があるということなら、自治体で行なっているイベントに参加してみるのがいいでしょう。
現場レベルでの空気を肌で感じた方が、面接の時や合格した後にも役立ちます。
予備校に通わないと合格できない?
独学をオススメします。
ネット情報を自分で収集して、市販の問題集をこなすだけで十分でしょう。
ただ、専門試験がある自治体は、若干難易度が上がります。
基本独学で問題ありませんが、自習が苦手な方で金銭的に余裕があるなら、予備校も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
就職先の候補として、市役所を具体的に検討してみたくなったでしょうか?
試験勉強を始める前に、なるべく多くの市の募集要項を比較して、試験対策を練りましょう。
今回はこれで終わります。
ご覧いただき、ありがとうございました。