こんにちは、元市役所職員のオサムです!
市役所職員なら誰もが洗礼を受けるであろう定番のクレーム。
それは
「お前らはオレたちの税金で飯食ってるくせに、いいご身分だな!」
「公務員の給料は高すぎる!」
というものです。
こういったクレームにどのように向き合えばいいか、お答えしたいと思います。
結論としては、クレーム客はひがんでいるだけなので、誇りを持って職務をまっとうするのみです。
公務員バッシングは正論なのか
市役所職員の方であれば、クレームに慣れているかもしれませんが、もちろんいい気分にはなりませんよね。
中には本当に罪悪感を感じてしまう人さえいるでしょう。
確かに公務員の給料は国民の税金から出ていますが、そこまでへりくだらなければならないのでしょうか?
公務員の給料はそんなに高いのでしょうか?
公務員の給料にクレームをつける人っていうのは、公務員が豊かな生活を送ることが許せないのだと思います。
では、百歩譲って公務員の給料が高すぎるというクレームが正論だとして、市役所職員の給料が生活保護の給付額と同額だったとしたら、どうなるでしょうか。
シミュレーションしてみましょう。
時は西暦203X年
私の名前は公 僕次郎(おおやけ ぼくじろう)。市役所に入庁して5年目になる。
愛する妻と子を養わなければならないが、手取り月収17万円では生活が厳しいため、親戚に米や衣服を送ってもらってなんとかしのいでいる。
それでも仕事の手を抜こうなんて考えたことはない。市民の血税で生活させてもらっているのだから。
今日は配属先の税務課窓口で、ある市民がこんなグチをこぼしていた。
「税金が高すぎてやってられないよ。…まあ、公務員は非課税だから分からないかもしれないけどさ。」
・・・まただ。またマウントをとられてしまった。
そう、われわれ公務員は住民税を払っていない。課税されるほどの所得がないのだから当然だ。
フリーターからマウントをとられることも珍しくない。
だが、そんなことでいちいち目くじらを立てているようでは公務員は務まらない。
「お気遣い恐縮です。税金を納めてくださっている市民の皆様には、感謝の気持ちしかございません。」
「いやいや、君らもがんばってると思うよ。でも公務員の収入だと生活苦しいんじゃないの?」
「、、、はい。今日の弁当は野草のおひたし、夕飯はもやし炒めでございます。」
「そ、そこまで切り詰めないといけないの?!」
「はい、高校生になる息子の学費がかかるものですから。」
「息子さんがいるのかい?…ってことは息子さんは将来、、、」
「(苦笑)ええ。市役所職員です。」
そう。公務員は今や世襲制となっている。安月給でなり手がいないからだ。
しかし、われわれ公務員はお金のために働いているわけではない。世のため人のため、地域住民のために働いているのだ。
公務員は尊い職業なのだ。息子もきっとわかってくれるはずだ。
いい車に乗って、いい家に住んで、うまいものを食べられれば幸せ?
いやいや!そんなはずはない。そんな生活は羨ましくもなんともない!
「おい、ちょっとアンタ、大丈夫かい?」
「え!?」
(これは、涙?泣いているのか、オレは…)
「す、すいません。なんか目にゴミが入ったみたいで、、」
「あんたも大変なんだな。とりあえず税金は全部払っていくわ。それからコレ、息子さんにうまいもんでも食わせてやんな。」
そう言って客がカウンターに置いたのは、ジェフグルメカード1,000円分だった。
「こういうのは困ります!私は公務員ですから受け取るわけには、、」
「大丈夫だよ。あんた公務員なのに知らないのかい?」
そうだった。先日、公務員の生活困窮ぶりが問題視されて、法改正がされたのだ。
公務員は原則金品を受け取ってはならないが、ジェフグルメカードに限っては受け取っても賄賂罪にはならないことになった。
通称「ジェフ法」。とてつもない利権の匂いがするが、あまり考えないようにしていた。
「そうでした。すっかり忘れていました。そういうことであれば、遠慮なくいただきます。ありがとうございます。」
「いいんだよ。こっちこそなんか元気もらえたわ。ありがとうな。」
…どうやらまた、意図せずに元気を与えてしまったようだ。
最近の「公務員あるある」と言っていいだろう。人は自分よりも不幸な人を見ると気持ちが落ち着くらしい。
私は地域のために尽くすことがやりがいであり、幸せであると信じてきたのだが、私は間違っているのだろうか?
最後に
なんとも悲しいシミュレーション結果になってしまいました。
結論としては、公務員の給料は民間の平均以上でないと社会はうまく回っていかない、ということです。
やっぱり公務員というのは、若者が「なりたい」と思える職業でなければ、優秀な人材は集まりませんからね。
公務員の給料が高い、と批判する人は、自分の収入が少なくて満足できていない人たちなんです。
市役所職員として、そのような低所得の人たちに現金をばら撒くことはできません。
ですが、所得が低くても心が豊かになれるような行政サービスを提供することはできるでしょう。
給料に見合った仕事をしているのであれば、「公務員は給料が高い」だなんて批判を気にする必要はないはずです。
今回は以上です。
ありがとうございました!