こんにちは、元市役所職員のオサムです!
今回は、「市役所職員にうつ病の人が多いのはなぜ?」
という疑問にお答えしたいと思います。
結論としては、市役所職員というのは終身雇用が前提となっているため、ストレスを逃すことが難しいからです。
退職するという選択肢を持つことで、気持ちを軽くする方法も提案しますので、最後までご覧いただければと思います。
地方公務員のうつ病患者の割合
平成28年度の地方公務員の精神疾患(うつ病)による長期病休者数は、10万人あたり1,337人。(一般財団法人地方公務員法安全衛生推進協会調べ)
10年前と比べて1.4倍にまで増加しているとのことです。
つまり職員が100人いたら1人か2人はうつ病で休んでいる、ということになります。
私の職場ではもっと多かったかな、という印象です。
復帰と休職を繰り返している人や、うつ病予備軍の人は多くいますので、数字が全てとはいえませんね。
終身雇用の発想が自分自身を追い込んでいる
民間企業でも公務員でもストレスがかかるのは一緒です。
公務員の方がストレスが大きい、なんてことを言うつもりはありません。
大きく違うポイントとしては離職率の問題です。
公務員の離職率は1%未満。民間企業の離職率が10〜20%なので、公務員は特別離職率が低いと言えます。
公務員は身分が保障されているため、「定年まで同じ職場で勤め上げるのがあたりまえ」という固定概念があります。
「せっかく勉強して公務員試験を突破したんだから、辞めたらもったいない」ということも考えるでしょう。
逆にいうと公務員は転職という発想を持っていないため、仕事に強いストレスを感じても逃げ道がないのです。
狭い職場でパワハラ・セクハラなどの被害を受けても、市役所職員には転勤がないため、毎日同じ人たちと仕事をすることになります。
「あと30年以上もここで働くのか…」と、将来に希望が見出せなくなってしまうのでしょう。
終身雇用というのは、職員にとっての安心材料となりますが、仕事のストレスが大きいときには監獄のような制度になってしまいます。
市役所職員のストレスの原因
市役所職員がストレスを受ける原因は様々です。
・仕事にやりがいを感じられない
・市民からの心ないクレーム
・上司からのパワハラ・セクハラ
・仕事量が多い
仕事にやりがいを感じられない
市役所職員の仕事は「守り」の仕事が多く、ミスをしないことが一番に求められます。
単調な仕事が多く、正直「誰がやっても一緒だな」と思うこともあります。
革新的なことを提案したとしても、周りから全力で潰されたりもします。
小さい仕事の積み上げにやりがいを感じることができればいいのですが、そうでないとストレスでしかありません。
仕事の向き不向きについては、こちらの記事もよろしければどうぞ。
市民からの心ないクレーム
「税金泥棒」だとか「公務員は給料が高すぎる」と言った、仕事とは関係のない公務員批判を受けることがあります。
公務員は客を選ぶことができませんからね。
どんな客であっても、住民である以上は住民サービスを提供し続けないといけないのが、つらいところです。
上司からのパワハラ・セクハラ
やっぱり人間関係の悩みが一番大きいものですね。
公務員は民間企業よりも年功序列が強いので、上司の能力差が大きい印象があります。
出世する器がなくても、在職年数が長いというだけで、管理職のポストに就くケースは珍しくありません。
部下をマネジメントできない管理職は、パワハラ・セクハラについての意識も当然低いですからね。
そしてハラスメントを受けた傷というのは、簡単には消えません。
嫌いな人と同じ建物にいるだけでストレスになってしまいます。
仕事量が多い
「公務員の仕事は楽」だなんて過去の話です。
部署によっては毎日残業、休日出勤も頻繁にあります。
職員の数は減っているのに仕事量ばっかり増えている、というのは、どの自治体も同じではないでしょうか。
僕は定時で帰ることに全力を注いでいましたが、仕事量の多さには悩まされましたね。
真面目な人ほど、手抜きができずに心を病んでしまう傾向がありました。
選択肢は他にもあることを知ろう
仕事のストレスで辛くなったときに大事なのは、「今の仕事が全てではない」と知ることです。
自宅と職場の往復だけだと、どうしても視野が狭くなってしまいます。
20代や30代前半なら、転職するという手があります。
また、40代以降でも僕のようにフリーランスや自営業という選択肢もあります。
詳しくはこちらの記事をご覧いただければと思います。
責任感が強い人は、「逃げてはいけない」と思ってしまうかもしれません。
でも転職することは「逃げ」ではなく、「方向転換」です。
自分に合った仕事を見つけることはポジティブな行動なので、悲観的に考える必要はないと思います。
つらかったら迷わず病院に行こう
もし、うつ病になってしまったら、公務員は休職の制度がしっかりしているので、遠慮せずに使った方がいいでしょう。
自分のせいで周りに迷惑をかけたくない、なんて思う必要はありません。
うつ病になったのは、決してあなたのせいではなく、環境がそうさせたのです。
うつ病になるような職場環境を作ったのは組織ですから、組織から支給される給付金をしっかり受け取って、通院しながらゆっくり体を休めましょう。
今回は以上です。ありがとうございました!